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[1st impression]
この作品を見た時に真っ先に頭に浮かんだのはKAKERIでした。型月ソース、デモ系という大きな共通点はもとより、表現方法に近いものが感じられるからではないかと思います。文字による説明を際立たせ、曲の展開にあった映像をつけていく、なんといっても全体から滲み出るクールさがまさにそれなんですよね。
私がこの作品を絶賛するのは、これを見た時に「このゲーム面白そうだな」と思わせるだけの説得力があったからです。ストーリーの概要らしきものは分かっても確証が得られるような情報はない、例えばバゼットが刺される最初のシーンも何がどうなったのかはよく分からない。こういう部分はゲームやって確かめたいっと思わせます。他のシーンでもゲーム未プレイ者には全てが分かるようにはなっていないように思います。じれったさのさじ加減が絶妙なんです。KAKERIの時もそうでしたが、この作品はデモを目指したものであると思います。ただそれは販促効果を狙ったものではなく、デモ的構成に原作を練り直し表現することを目的としたものであるでしょう。
気になる点は、文字において説明と台詞が混ざっているので統一性に欠けるなぁと思いましたが、些細なことな上に個人的な趣向でもあるので。
カプチ氏というとLTTAが真っ先に代表作として浮かびますが、あの作品で発揮した表現力をさらに洗練したのがこの作品ではないでしょうか。掴み所のないこのような曲で、ここまでのダイナミックな表現をさせる氏のセンスに脱帽です。