[1st impression]

お二方が言われているように一見地味に見えるようでいて細かい所まで手が込んでいます。まだ出ていないところだと、フェードの調節とかモーションの調節(スライダーんとこね)とかってのは気にして弄るかどうかでずいぶん違うもんです。いかに見ていて自然になるかを考えて調節された動きは見ている人に違和感を与えないものです。一枚絵でこういう地味な所をしっかり決めてくるあたりにベテランっぽさが滲み出ますよね。

作品内容も分かりやすく編集されていて、何度か見ると原作を知らない私でもある程度把握できました(勘違いが含まれるだろうけど)。間奏部分を丸々劇物語に当てていて使い方うまいなぁと思います。文字による表現も最小限に抑えられているからこそ、最後の「そなたと生きる道を選ぶ」という部分が生きて、次のカットに素直に繋がるんだと思います。

劇の演者にあたる者達の境遇に関してはあえて小出しにして、あくまでもバンダナ娘が主役ととると全体的に散漫に感じる部分も、納得がいきます。こんだけ出演割合低いのにバンダナ娘が主役に見えるんだもんなぁ。splineさんがいうにはこれ見て原作プレイした人が多かったらしいけど、それは他のキャラはどうなんだろーって部分に惹かれたんじゃないかなって思います。

個人的要望を言えば一番最後(2:34〜)はこの作品をワンカットで表すとコレダッっていうので締められると見終わった時に余韻に浸れそうですが。

演出過剰になりがちな作品が増える最近の静止画M@D、同時に自分自身視聴していてその演出に酔ってしまって何かを見失いがちになることも多々あります(恥ずかしながら私も公開時たいして見ずに放置しておりました。再観賞の機会を与えてくれたsplineさんに感謝)。必要な内容を最小限の必要な演出で伝えることの重要さをこの作品から再確認しました。原作のよさを「生かす」演出ってのはこういうのなんだろうなと。