a milliliter of malice / Saw
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オンリー系の中でも、いちキャラのさらに一部分の事象のみを抽出し、独自の感性によって描き出した作品。
構成、選曲、表現等に常に新しさを追い求める氏のスタンスがよく現れていると思います。
また原作を蔑ろにしていない点もこの作品を推す重要な部分ですね。

あなたにも書ける恋愛小説 / 軍魔
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こちらはスタンダードなオンリー系の作品。
喜怒哀楽と表情のコロコロと変わるヒロインが非常に印象的な作品です。
まるで彼女が氏の構えるカメラの被写体であるかのように錯覚してしまうほどです。

アニメ最萌本線開幕MAD「はならんまん」/ 作者不明
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静止画的な感性によって作られた動画M@Dとでもいいましょうか(カオス、squall等)。
単純にノリや勢いが全てという作品。
こういうのが合う人はヘビロテ間違いないんじゃないでしょうかね、俺とか。
らきすたのとこのあわせっぷりに心躍ります。

あなたが選ぶ静止画M@D大賞2007 上位十作

1位 彼岸雨/一本杉
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もんぢゅ:志貴対式っていう月厨なら妄想したであろうことを映像化したってのが一位につながったのかなと
spline :去年もそうでしたが、こういうクセのある作品が一位というのが面白いですね。いい傾向だと思います。
meim :エフェクトと文字の使い方はすごく上手いですよね。Particularの動きが好きです。


2位 All Last/軍魔
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もんぢゅ:一回目文字みて、二回目映像を見るとしっくりくる作品。月未プレイでも安心です。
meim :比較的数の少ない桜ルートの作品ですね。うねうね動いてて氏の技術には感服なのですが、曲が私にはあいませんでした。
spline :桜いらない子とかいう人こそ見たほうがいい作品だと思います。たぶんいらなくなくなります。


3位 Stain/カプチ
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もんぢゅ:センスを持つ作者が堅実にまとめるとこうなるのかと。
meim :前回更新時に取り上げた通り順当な感じですかね。
spline :詳しくは↓のテキスト読んでください(笑) 毎回それなりに時間かけています。


4位 実態がよく分からない/合作
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spline :人気的にベスト3に食い込むと思ってました。今年の作品の中で一番楽しいM@Dだと思います。
meim :POPな曲とニコニコという場が相まって、静止画MADの中でもかなり多くの人から評価をうけていた作品ではないかと。
もんぢゅ:静止画M@Dの映像表現に関する進化を垣間見ることが出来ました


5位 I'm Not Scared/軍魔
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meim : 原作への愛が感じられる作品ですね。やりすぎです。
もんぢゅ:うまくまとまっているようだし、台詞入るとこすきなんだけど、原作を知らないもので盛り上がりきれませんorz
spline :ネタバレが怖くてまだ見れないです。ごめんなさい。


6位 「アンタ・・・バカァ?」/藩田志信
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もんぢゅ:同ソースの続編が前回よりも多くの票を獲得した点が、大会的に面白い結果だなぁと思います。
spline :自分の過去作とここまでリンクできてる作品ってこれ以外知らないです。後半部のシンプルさがとても好き。
meim :今年も更に進歩した作品を出してくれましたね。これからも更に期待しております。


7位 ナルコレプシ/伽藍堂天晴(niezo)
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spline :オタクになってもセンスが必要であるという知りたくもない事実を丁寧に教えてくれる傑作。
もんぢゅ:氏の作品はこれも含めて私のツボまでなんか足りないんすよね。実力的には1位狙えるんで色々惜しい。
meim :私もほとんど同じような印象ですね。タイミングのずらし方がいじらしいのですが、そこはもう感性の違いのように思います。


7位 終わる世界たちに、最後のユメを/taku(takumichi)
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もんぢゅ:大会で安定して票を獲得出来ているのは、氏の表現方法が浸透してファンを獲得してるってことだと言えるんじゃないかなと。
meim :フォントがキレイですね。1:20からのシーンで震えました。niezoさんのと同票ですね
spline :同上上上。今年の氏の作品はどれも丁寧な作りで良かったです。これもきっと良い作品だと思います。見たいです。


9位 SEGO あなたが選ぶ成年コミック大賞/None
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meim :リハビリ作品との事だったと思いますが、相変わらずのNoneモーションでした。人気の割りにこの方面に追従する人が少なめなのがちょっと気になります。
spline :久々の作品でもモーショングラフィックスになっているところが凄いですね。ついでに全部既読でした。
もんぢゅ:この順位に収まっているのはうますぎたせいかもしんないですね。生っぽさというか。既読は犬と小梅だけでした。ミーハーでごめんなさい。
(以下エロコミ談義が延々と続く)


10位 Seraphim/合作(苺&渚瞳&一本杉)
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meim :普通に音ゲーなどに流れていても不思議ではないくらいクオリティの高いムービーですよね。後半の流れるような展開が好きです
もんぢゅ:この表現系は個人的に楽しめないんですが、10位に選ばれてたりするのが大会の結果見てて楽しい時っすね。界隈の眼というか。
spline :私もちょっとそつなく作りすぎかなと思いますが、数年前の自分に見せてもM@Dだと信じてくれなそうな綺麗な作品ですね。

[1st impression]

最初の30sで完全に引き込まれた作品。
派手な演出を多様した作品の多いFate作品の中では控えめな印象を受ける作品ではありますが、戦闘部分よりも、「繰り返される四日間」という現象の奇妙さに着目している点が他の同ソース作品と異なり、これが型月ファンだけでなく、私みたいなアンチ型月的な人にもウけている原因ではないかと思います。

演出に関して、先ほど「控えめ」と書きましたが、これも前にtakuさんの「終わらない旅に恋して」の時に書いたように、必要最低限ギリギリな所まで削ぎ落としたという感じで全く悪い印象は受けませんし、また、テキストに関しても、情報量を少なく、断片的に、また説明文と台詞をごちゃ混ぜにするなどして、曲から受ける不協和音な雰囲気をより上手く演出するのに一躍買っていますよね


私の引き出しが少ないが為に、この作品を語るにも、既に使ってしまった語り口でしか説明できないのが残念なのですが、やはり昨年の歴代大賞で二位を取ったLTTAの作者なだけに、他作品とは一線を画した作品だと思います。

あと最後に蛇足ですが、この作品には「コンポ1.wmv」という、「おまけ+stain+07_hori_yume」の三部構成(?)から成るムービーが存在し、私はそちらの流れの方がより好きだと付け足しておきます 。

[1st impression]


シーンごとの時間の流れを表現できていて凄いと思いました。槍が止まった、槍が刺さった、ステンドグラスの破片が落ちる、空気が変貌する、血が滴る、そういった瞬間が遅く感じるか、いやに速く感じるかというコントロールが抜群です。もんぢゅさんが例えとしてKAKERIを出していましたが、あちらは静動のめりはりで月姫らしさを出そうとしていたのに対し、こちらは液体が滑るような速度でホロウの不気味さを演出しています。


ホロウはよく十夜の焼き直しと言われています。まったくその通りなのですが、得体の知れなさ、不気味さという新しい要素を加えることに成功した作品だと思っています。最初に挿入された小話はその象徴ですね。そういう雰囲気をM@Dとして再現できているのは、私の知る限りこれしかないです。そして再現する際、血というものに注目したのがとても面白いです。バゼットの流血がロゴとなって波となって拡散していく、というのはきのこ魔術とリンクしてるかもしれないと想像が広げられます。何より血に濡れる聖女ってエロくていいですね。


シンプルなビートに合わせてキャラ紹介から再現された聖杯戦争の場面を描写する、というのがおおまかな作品の流れだと思うのですが、その流れがゲームのエンディングに繋がらず、ループの再会となっているところが一筋縄ではいかないなと思いました。また、ホロウでのハイライトの1つであるアーチャー戦等を省き、バゼットとカレンのエピソードに終始しているため、無駄が全然ないです。同じ素材を使っていながら、Cinderella-StairsやPRETENDERと全然似た印象を抱かないのはそのためでしょう。あの猥雑さ・ごちゃごちゃ感が型月の魅力だと思ってるので、より原作を思い出すのは比較として挙げた2作ですが、こちらはそのぶん作家さんの個性が出た作品になっていると思います。

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この作品を見た時に真っ先に頭に浮かんだのはKAKERIでした。型月ソース、デモ系という大きな共通点はもとより、表現方法に近いものが感じられるからではないかと思います。文字による説明を際立たせ、曲の展開にあった映像をつけていく、なんといっても全体から滲み出るクールさがまさにそれなんですよね。

私がこの作品を絶賛するのは、これを見た時に「このゲーム面白そうだな」と思わせるだけの説得力があったからです。ストーリーの概要らしきものは分かっても確証が得られるような情報はない、例えばバゼットが刺される最初のシーンも何がどうなったのかはよく分からない。こういう部分はゲームやって確かめたいっと思わせます。他のシーンでもゲーム未プレイ者には全てが分かるようにはなっていないように思います。じれったさのさじ加減が絶妙なんです。KAKERIの時もそうでしたが、この作品はデモを目指したものであると思います。ただそれは販促効果を狙ったものではなく、デモ的構成に原作を練り直し表現することを目的としたものであるでしょう。

気になる点は、文字において説明と台詞が混ざっているので統一性に欠けるなぁと思いましたが、些細なことな上に個人的な趣向でもあるので。

カプチ氏というとLTTAが真っ先に代表作として浮かびますが、あの作品で発揮した表現力をさらに洗練したのがこの作品ではないでしょうか。掴み所のないこのような曲で、ここまでのダイナミックな表現をさせる氏のセンスに脱帽です。