[1st impression]

不必要なテキスト・エフェクトを一切排しているため、一見すると大したことないようにも見えてしまうかもしれませんが
映像をキレイに見せるためには様々な技巧がこなされている作品ですね。splineさんが仰るとおり、一つ一つあげていくと本当にキリが無い感じなので
私が良いと思った点を3つだけ


まず1点は照明。
基本的な事かも知れませんが、かなり多くのシーンに追加されていて、単純にCGの芽生えがよくなるというだけでなく、
現代のシーンに暖かいイメージを与えることで、1:33〜1:50の過去を表す暗いシーンを強調するという効果も生み出しています。


2つ目も基本的なことなのですがブラーです。
普通、人間ってのは視野の中心以外の部分とか、見ているところと遠近差があるところはぼやけて見えてるわけですが
映像自体にブラーをかけてやることで、視点をコントロールできるし、また疑似的に視界がぼやけたような印象を視聴者に与えることも出来る。
また、0:08などでは完全に静止した画像をフェードインする際に横方向のブラーをかけることで、微妙な躍動感を与えたりもしていますね。


3つ目は、原作のロゴにも使われているブロック模様です。
このブロック模様とテキストという組合せを、作品の始めと最後、そして原作タイトルとムービーのタイトル部分で用いることで、全体の統一感を出している
また、最初の原作タイトルを出す前に、一度同じような構図を示すことで、伏線的な効果をなし
ただ単にタイトルを表示するよりも好印象を与えることができているのではないかと思います。


以上、他にも音のタイミングの取り方とか、静と動の使い分け等々見るべきポイントはいろいろ。
ほとんどイベントCGを並べているだけと言えなくもないのですが、紙芝居と切り捨ててしまうような作品ではなく
じっくり視聴するに値する作品ですね*1

*1:私自身、公開時にはほとんど見ずに放置していたので(汗