[1st impression]

終ノ空M@Dって、Loopから脈々と続いていく一種の系譜だと考えています。昔の人が良い作品作ったから、それに影響を受けてというのが今の今でも続いている。これって凄いことだと思います。今回の合作みたいな、どちらかというと新しい人がM@D作っても全然違和感がないのですが、ハタチにもならないオタクの子が「終ノ空面白いよね」とか言うのを聞くと、凄く違和感があるんじゃないでしょうか。たぶん、知らないオタクの人も多いのではないでしょうか。けれど、いいM@Dがあれば、どれだけマイナーな原作でも後の世代の人らも興味を持ってプレイしてみる。そしてもう一度M@Dを見てみて創作意欲が刺激され、自分の解釈を加えたものを作り出す。こういうとこ、とてもいいと思います。


そういえばもんぢゅさんの挙げられてるエロゲって、前と後でかなり違いがありますよね。うまく言えないのですが、前者は終末雰囲気っていうかよく分かりませんが、今プレイしてもそういうものが感じられます。世界が予言で終わるなんて陳腐だけど、それでも考えずにはいられませんでした。そういう雰囲気の中作られたからでしょうか。そういう雰囲気の中やっていたからでしょうか。なんでしょう。ちょっと考えたのですが、よく分からなかったです。


今回画像ソースとなる終ノ空とは、そんな作品だと私は感じました。サブカルの影響を隠すことなく、製作者が当時感じていた閉塞感をぶちまけた感じがします。そんな思い込みがあるので、あっさりとしたloopは好きじゃないです。DEAD-ENDが出てきたときはこれこれって思いました。NonexIstenceは、音楽ソースが音楽ソースなので未だにどう扱うか困ってしまいます。Wandaring Eyeは未だに何か何だか分からないです。


私はそんな作品群を見ていますから、この作品をはじめて見たときも、どんな作品かおおよその予想は出来ました。そして、ここのパートはあの作品へのオマージュだなということも。この作品に至るまでの過程には、どんなM@Dがあってということを知っていて、それらの作品群を楽しんでいる人には感慨深いでしょう。逆に言えば、何の情報もない人にはあまり親切な作品ではないと思いました。


また、多くの情報を持っている人にしても、どうしても終ノ空、ひいてはダークな作品の1作以上にはなり得ることは難しそうです。独自の1作になることを目的とはしていないかもしれませんが。確かに、この作品は昔の作品より凄いです。最初のボールの動き、0:25の意味ありげなオカルティックな図、1:04の万華鏡みたいな場面、1:51はじゅうぶんにオリジナルティのあると評価されるぐらいのクオリティです。私も結構繰り返して見てます。今でもそういう画面群を見るといいなと思います。結構好きな作品です。それでも、メインである終末って概念が間延びした印象を受けるのです。似てる画面が高密度で続くので余計に。


つまり一言で言うなら、この作品は意図的でないM@DのM@Dなんじゃないかなぁと思いました。