[1st impression]

ソースとなった作品は知りませんでした。

第一印象は気味が悪い、でした。もう果てしなく。その原因はまず音楽にあるんじゃないかと思います。このタイプの唄(童謡とか)はまず不気味なんですよね。それが今回はこの作品の元々持つ不気味さとの相乗効果でより強調される形になっているのだと思います。 映像のほうはサブリミナル的なすばやい切り替えが各所に散りばめられており、適度に印象にのこるフレーズが配置されてたりするもんだから、その効果を充分に発揮できてるかと思います。夢の中であった彼女、あやめ、生まれ変わり、禁じられた伝承、呪い、等ダークで意味深なテキストが多く配置されており、作品への理解への興味をそそられます。最後にある「生まれる前に還るべき」という台詞にそれまでの不気味さを一纏めにしたような怖さを感じました。現在再生環境が微妙で細かい部分まで見れないのですが、見れば見るほどまだまだ味の出る作品だと思います。

時計の演出はM@Dでは良く使われてきたもので、その使い方次第では叩かれかねない諸刃の剣(笑)なのですが、気味の悪い置時計とそれが刻む音ってのは実にホラー的だなぁと。時間の経過を比喩的に示すオブジェとしてではなく、和製ホラー的なオブジェとしての時計だとしたらこの使い方は成功であると思います。1:38あたりからのカットで揺れているものが人影のように見えて、非常に気持ち悪いのですが、これも振り子時計を使ったホラーの演出と取ると上手いなぁと思います。