[1st impression]


凄い人気ですね。各動画配信サービスにおける閲覧数は図抜けてて、ニコニコの12万という数字ともなると見ていて本当に実態がよくわかりません。最近では初音ミクVerなんてものまで出回ったりと、もはやオタク全体の現象レベルにまでなってしまった作品ですね。友人との何気ない会話の中からこの作品の話題が出てきたり、ブログやmixiで「神動画」と紹介されていたりして微妙な気分になった界隈の人も多いかと思います。


初音ミクVerのほうが人間っぽくて、あざとさくコントロールされた心地よさに身を委ねる快感が弱くなっている(と私には思える)というのは面白いですね。意図的にエレクトロニカ・テクノをやってるcapsuleperfumeと、技術によって産み出された結果キャッチーなポップスに適合しているミク嬢は似て非なるものだったりしますが、今のところはまだ実際機械にやらせてみるよりも、人が機械っぽく仕上げた方がいいみたいです。ミク嬢もわざと機械っぽく調教した曲の方が、ネタであることを差し引いても素直に聞いて楽しめます。そういえば機械の受付嬢とか出来たみたいですが、怖くて見れたものじゃなかったことを思い出しました。


だからではないでしょうか。この作品が人気があるのは。キャラクターがKAWAII、音楽が気持ちいい、画面が愉快、そうやって楽しんでる人は楽しんでいるのではないかと思いました。初めて観たとき、きっと私はパートごとに「むうう、この人はこう来るか」としかめっ面を浮かべていたでしょうね。けれど、世間では合作ということすら気付いていなくて、最後にやっと分かった人のほうが数が多いのではないかと思います。それどころか気付いていない人もいるかもしれませんね。お2人が言及されていますが、画面作りだけでないPopな統一感、そしてギャルゲーみたいに恋愛とかストーリーがべっとり付加されていないキャラクターというのも気持ちよさに繋がっているのでしょう。

[2nd impression]


と頭カラッポにして楽しんだ後は、しかめっ面して各パートごとを見ようかと思います(笑) 私が特に好きなのはaria氏が担当した1:00からです。ピコピコした音といかにもアニメな手振りがツボで、思わずこの部分だけ切り離したくなるぐらいお気に入り。ロリグラマーの人が最後はカラフルなボール群になるのですが、この後にtaku氏かフィア・ライス氏、SORYU氏のポップな単色系の演出が観たかったです。


上に名前を挙げた4人のパートがいいですね。フィア・ライスさんのパートは何だかスーパーマリオUSA思い出しました。これでキャラクターが木から何か引っこ抜いたら笑ってたと思います。SORYU氏のパートは特にキャラクターが楽しそうに動いてていいですね。taku氏のパートはアイデアと根性の勝利といったところでしょうか。1:27のディフォルメな地面とバックが妙にマッチしているところは、不思議なおかしみを感じます。ひとみすいれん氏、sucure氏のパートは、メンバーがいい仕事してくれることを信頼しているから敢えて素材で勝負したフシがありますね。1:20、1:25は思わず画面を止めて見入ってしまいました。エンドロールは当然初回時に全部1回ストップして、誰がどのパートを担当しているかって確認しました。


結局、漫画だからきっと膨大な数の良い絵があるのでしょうが、その中からこれだけのものを厳選して選んできて、それに負けない背景と演出ができることが一番凄いことなんじゃないかなぁって思いました。まだ07年大賞まで時間がありますが、この作品にどれぐらい入るのかとても興味があります。さてさて、どうなるのでしょうか。