[1st impression]

まず始めにお二方に謝っておくと、明らかに選出理由を間違えました。すみません。
これを書くに当たって、今まで何度となく見たloop,DEAD-ENDと、このBLnをじっくり見てみたのですが
同じソースを使い、リスペクトが見られる部分があるとはいえ、これは前二つの作品とはまったく毛色の異なる作品だな、と思わされました。


loopは終ノ空という作品を文句のつけようがないくらいに描ききった作品ですし
DEAD-ENDは終ノ空をベースに若干捏造を加えた創作物だと思うのですが
BLnは「終ノ空とか世界の滅亡とかどうでもいいけど、カッコイイ物作ろうぜ」的な気持ちで作られたものだと思うのです
(実際に作者の方々がどういう気持ちで作られたのかはわかりませんが)


だからこそ、この作品が唯の模倣作として評価されるのは勿体ないと思っていて
まあ確かに薄っぺらい作品ではある。けれども過去作を真似ている部分に関してもより洗練した形に作り直されているし
デザインセンスやオブジェとしてのテキストの使い方に関して言えば、昨年公開された作品の中でも群を抜いてるとさえ思うのです。
そもそもが模倣から始まったMADという文化において、今まで使われた演出法の使い回しに過ぎない作品なんて他にも腐るほどありますが
それらと比べればこの作品はよっぽど面白い。


もちろんデザイン的な部分さえ優れていれば良いとは全く思っていないし
「テキストが意味を成さず空気としか感じられない」等々不満は多々あります
ですが、そういった悪い点に目をつけるよりも、良い点を見つけて、それを基にしてより良い作品を作り上げる。
また、MADも昔のように本当に一部のコアな人達だけが楽しむ文化では無くなってきていますし、他の色んな文化から技術を取り込んで
もっと多様なあり方を認めてやる、そんな器量がこれからは必要なのではないかな、と。


後半は、最近私が静止画MAD界に感じている閉塞感への愚痴みたいになってしまってますし
中の人に取ってみれば自明の事ばかり並べているかと思いますが、自戒の意味を込めて書き残しておきます。